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コキンチョウの胸の色の表現型と遺伝

1.コキンチョウの胸の色
 コキンチョウの胸の色は、Purple(紫)、Lilac(藤)、White(白)の3色となり、それぞれ、Purple-Breasted(紫胸:パープルブレスト)、Lilac-Breasted(藤胸:ライラックブレスト)、White-Breasted(白胸:ホワイトブレスト)になります。但し、Purple-Breasted(紫胸)は胸のノーマル色になりますので、通常何も表示しません。あえて、他の胸の色と区別したい場合のみ紫胸(パープルブレスト)と表示します。(並胸とも言います。)
 例えば、赤頭で紫胸のコキンチョウの場合は、赤頭ノーマルコキンチョウとか赤頭ブルーコキンチョウ等と呼ばれます。つまり、藤胸と白胸のみ表示すれば良いことになり、胸に関しての表示がなければそれは、パープルブレストであるということになります。
※コキンチョウの名前の付け方は、頭、胸、体の順番で表示します。

ピーちゃん:「そういえば、私の場合は赤頭紫胸ブルーコキンチョウなどとは呼ばれずに、赤頭ブルーコキンチョウと呼ばれますよね。」 
飼い主:「えぇー、まさか、今頃気がついたわけではないよね。ピーちゃん。」
ピーちゃん:「当然でしょ!!」 (*^_^*)
飼い主:「ところで、今度、ピーちゃんの補佐役のアオちゃんが登場するって噂を聞いたんだけどほんとぉ?」
ピーちゃん:「ノーコメントです。事務所を通してください!」
飼い主:「事務所???」
※補佐役のアオちゃんは既に登場して活躍した上で天国へ召されています。そして、現在の補佐役はアオちゃん2世にバトンタッチされています。


ノーマル系 パープルブレスト
赤頭ノーマルコキンチョウ オス
赤頭ノーマルコキンチョウ オス
黄頭ノーマルコキンチョウ メス
黄頭ノーマルコキンチョウ メス

ノーマル系 ホワイトブレスト

赤頭白胸ノーマルコキンチョウ オス
赤頭白胸ノーマルコキンチョウ オス
黒頭白胸ノーマルコキンチョウ メス
黒頭白胸ノーマルコキンチョウ メス

イエロー系 パープルブレスト

黄頭パステルイエローコキンチョウ オス
黄頭パステルイエローコキンチョウ オス
赤頭イエローコキンチョウ メス
赤頭イエローコキンチョウ メス

イエロー系 ホワイトブレスト

赤頭白胸パステルイエローコキンチョウ オス
赤頭白胸パステルイエローコキンチョウ オス

赤頭白胸イエローコキンチョウ メス
赤頭白胸イエローコキンチョウ メス

ブルー系 パープルブレスト
赤頭ブルーコキンチョウ オス
赤頭ブルーコキンチョウ オス
はい、その通り。ピーちゃんです。ちょっと気取ってますよね
赤頭ブルーコキンチョウ メス
赤頭ブルーコキンチョウ メス

ブルー系 ホワイトブレスト

赤頭白胸ブルーコキンチョウ オス
赤頭白胸ブルーコキンチョウ オス
赤頭白胸ブルーコキンチョウ メス
赤頭白胸ブルーコキンチョウ メス

ライラックブレスト


黄頭藤胸ノーマルコキンチョウ オス
黒頭藤胸ノーマルコキンチョウ メス
黄頭藤胸ノーマルコキンチョウ メス
黄頭藤胸ノーマルコキンチョウ オス
黄頭藤胸ノーマルコキンチョウ オス



← このオスの場合は、ごく薄い藤色である。写真では写りにくいが、明らかに外見上は白胸ではないのがわかる。もちろん、オスメス共に小さい時も赤目ではなく、喉元も真っ黒なので赤目系の影響は受けていない。
2.それぞれの胸の色になる遺伝子の持ち方
胸の場合の遺伝子の持ち方
 胸の遺伝子は、常染色体上に存在しますので、オスメスは関係なく遺伝子の情報を2個ずつ持つことができます。白胸の遺伝子は劣性なので、白色の遺伝子を2個持たないと外見上白色にはなりません。また、藤胸の場合も同様で、藤胸の遺伝子を2個持たないと外見上藤胸にはなりません。どちらも、紫胸に対して劣性(recessive)になりますが、藤胸の場合は白胸に対しては優性(dominant)になります。
 以下の説明の中では、紫胸の遺伝子は紫色()、藤胸の遺伝子は藤色()、白胸の遺伝子は白色()で表現することにいたします。

1)紫胸(パープルブレスト)になる場合の遺伝子の持ち方
BB              2個ともノーマルの遺伝子
  1個が藤胸の遺伝子
  1個が白胸の遺伝子
2)藤胸(ライラックブレスト)になる場合の遺伝子の持ち方
BB              2個とも藤胸の遺伝子
  1個が白胸の遺伝子
藤胸に関しては、遺伝的に解明できていないところもあるようです。
3)白胸(ホワイトブレスト)になる場合の遺伝子の持ち方
BB
但し、白色遺伝子を2個持っている状態でも外見上薄い藤胸になる場合があるように思われます。Bad Whiteと表現している人もいるようです。

3.胸の色の遺伝の例
上記の法則に基づき実際の繁殖における胸の色の遺伝を考えてみましょう。

1)スプリットなしの紫胸のオスと白胸のメスのペアの場合
紫胸オス(BB)×白胸メス(BB
    親オス→
親メス↓
B B
B BB BB
B BB BB
 この場合、子供はすべてBBとなりすべて表現型(外見)は紫胸になりますが、白胸のスプリットを持つことになります。

2)白胸のスプリットを持った紫胸のオスと白胸のメスのペアの場合
白胸のスプリット持の紫胸オス(BB)×白胸メス(BB
    親オス→
親メス↓
B B
B BB BB
B BB BB
この場合、子供はすべてBBBBとなり紫胸と白胸の両方が出ます。このように、 上記の1)の組み合わせ とでは、親の表現型(外見)は同じでもスプリットの有無によって、子供の胸の色は変わってきます。

3)オス、メス共に白胸のスプリットを持った紫胸のペアの場合
両親が白胸のスプリット持のオス(BB)×メス(BB
    親オス→
親メス↓
B B
B BB BB
B BB BB
子供はBBBBBB)BBとなり紫胸と白胸の両方が出ます。このように、オスメス共に外見上は紫胸であっても白胸のスプリットを両方が持っているので、白胸もでることになります。「両親が紫胸でも白胸が出た」というのは、この場合のことです。

 その他、いろんな組み合わせが考えられますが、ここでは、割愛させていただきます。興味のある方は、自分で上記のような表を作ってみれば簡単に判断できると思います。但し、スプリットがわからない場合は予測することはできません。また、藤胸が入ってくると予測できない場合があるようです。


主な参考文献
「A Guide to... Gouldian Finches AND THEIR MUTATIONS (REVISED EDITION) 」ABK Publications、Web、「Gouldian Finches」Barron's Educational Series,Inc.等

★鳥たちが驚かないようにフラシュレスで自然の姿を撮影しております。お見苦しい点が多くございますがご了承ください。

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